先日の続き


TrackBackを頂いたので、嬉々として言及してみる。

こういうの↓を見ると、

ユニバーサルデザインって、W3C の勧告に沿ったHTMLのコードを書くことで実現されますよね。それで、きちんと見えない環境というのは、そのブラウザなりOSなりが悪いということで切り捨ててしまうのも手かもしれません。

(http://web.livedoor.biz/archives/50010337.html のコメント欄より)

逆に本来の(広義の)ユニバーサルデザインの意味をわかってるのかな? という気もしてきます。(両方わかってる人が安易にユニバーサルデザインって言うと、経験の浅い人が勘違いしませんか? 日下部陽一さんが嫌悪感を示す「全角」「半角」みたいに。)

コレは確かに仰せの通りです。
ユニバーサルデザインを実現する最もコストの低い(現実性の高い)解が、
XHTML+CSS」と言うだけの話であって、過去のルーズなHTMLを用いていても、
考えうる全ての環境のためにそれぞれにコードを用意すればユニバーサルデザインですし、
strictな「XHTML+CSS」でも、対応環境が狭まればユニバーサルデザインとは言えません。


と言うか、実際にはCSSに完全に対応している環境(ブラウザ)は多くないため、
より多くの環境に対応させるためには、「XHTML+CSS」に加えて、
バッドノウハウCSSハックも必要になります。
(その結果、strictでなくなってしまう事もありえます。)
W3C の勧告に沿ったHTMLのコード」(strictなXHTML)ならば
ユニバーサルデザインが実現すると言うわけではありません。

「マックとウィンドウズ」「ファイルのやり取り」って書いてあるんだから、これはOSの話ですよね。マックが無くなってウィンドウズになればブラウザの種類が減るんだから「より多くの人がアクセスできるコンテンツ」が作りやすくなる、ということになりませんか。

 というか、これは「標準に従うべきか」の話ではなく、「標準の決め方」の話だと思うんです。彼女の考えを敷衍するなら、「IBM PC」のまねをして互換機を作るように、WindowsIEを基準(標準)に定めて、他のUAIEと同等に振る舞うことが保障されてればいいのに、そしたらデザイナーは楽できるのに、て話ではないでしょうか。

まず、今後も続々とブラウザは開発されますので、
「マックが無くなる」→「ブラウザの種類が減る」はどうかな?と。


次に、ブラウザのエンジンはその「振る舞い」の仕様が公開されていませんので、
表面的にそれを真似たとしても、IEと同等に振る舞うことは保障できないと思います。
「『標準の決め方』の話」でもいいんですけど、公開されてない標準には従い様が無い。
公開されているルール以外は標準には成り得ないのは道理ですし、
ルール非公開ではデザイナーも楽できません。

それをみんなで真似して使って、間に合ってるうちは、別にそれでいいですよね。それがあるとき、困ることが起きて、別のやり方をすることになるんですが、だったら、そこから先の話を指摘してあげたらいいんだと思います。(それを要約して一言で「ユニバーサルデザイン」と表現した、というのは理解できるのですが)

根本的には御理解頂けているようなので、以下は蛇足かもしれませんが、
私はこの件は「異なる問題を一緒くたにしている」と読みました。
最初の指摘者はその中の一つ、彼が問題あると感じた部分へのツッコミとして、
最近のWeb屋には通りの良い「ユニバーサルデザイン」と言う表現を用いた様ですが、
真に説得・解決を目指すならば、まずは一緒くたにされた問題を解きほぐすべきだと思います。


それはさておき、